代表取締役 上能 喜久治
罰則が強化されなければ・・・
昨年の12月に社内旅行で香港・マカオに行ってきました。車は日本と同じ右ハンドル・左側通行ですが日本と大きく違うのは歩行者優先ではなく車優先ということです。歩行者はあまり信号を守らず赤信号でも車が来なければ道路を渡っています。それでも交通事故の死亡者は少なくマカオでは年間三人ほどだそうです。
最近、私が日本で車を運転していて感じるのは自転車・歩行者のマナーの悪さです。携帯電話で話をしながら自転車に乗っている。車など眼中にありません。自転車や歩行者が赤信号でもおかまいなしで飛び出してくるのは日常茶飯事です。歩行者が青信号で渡っているとき、左折する車は歩行者の横断を待っています。車が待ってくれているのにそのことに気を使うでもなく話をしながらゆっくり歩く。メールを打ちながら歩く。「歩行者優先」「弱者救済」意識が逆に自転車や歩行者の横行を許しています。いっそうのことマカオのように車優先にすれば自転車・歩行者は自己責任となり、マナーも良くなるのではないでしょうか?
また、シートベルト着用の法制化や飲酒運転取締り強化により交通事故死が大きく減少しました。言い換えれば法律で強制されなければできないのです。罰則が強化されなければしないのです。運転者自身を守るためにシートベルトがあるのに罰則を強化しなければ誰もシートベルトをつけないのです。
トイレ掃除や親孝行を・・・
当社では「掃除に学ぶ会」で学校等のトイレ掃除参加を強制しています。そのトイレ掃除に参加した社員のレポートを読むと彼らの多くが「トイレ掃除をすればするほど自分の心が磨かれる」と書いています。他に毎年4月に「親孝行月間」を設け、新入社員の初月給でいままで自分を育てていただいた親にプレゼントすることも強制しています。「親が泣いて喜んでくれた」そのことで人に喜んでいただく喜びを知り、お客様や上司・同僚に喜んでもらうことが自分の喜びとなり、やりがい・働きがいになっていきます。あなたがよいと思うことをあなたの会社の社員に強制することに迷う必要はありません。やったことがない、したことがない、経験がない。だからトイレ掃除をして自分の心が磨かれることなど思わない。親孝行など会社から言われてするものではない、と思っている。そのような社員があなたに次のような質問を投げてきます。
「参加は強制ですか、任意ですか?」
そのとき、あなたは毅然として「強制だ!」と言ってください。その反発した社員がトイレ掃除をし、親孝行をした後にあなたに「ありがとうございました!」という感謝の言葉と敬意の念が注がれます。
代表取締役 上能 喜久治
“鎖国状態”の日本
11月に香港に行ってきたときのことです。日曜日のHSBC(香港上海銀行)1階の広場には多くのフィリピン人のメイドの人たちがシートを敷いてグループをつくり、自分たちが持ち寄ってきたお弁当やおやつを食べながら楽しく談笑していました。香港の人口は700万人、メイドは25万人いるそうです。そのメイドの仕事は大きく二つあり、一つは家事、もう一つは子供たちに英語を教えることです。香港における日常会話は広東語であり、英語を話すフィリピン人のメイドが香港に住む中国人に英語を教える役割を担っています。その結果、中流階級以上の子女はごく自然に英語が話せるようになるというのです。
これに対して日本人の英会話力はとても低いものです。小学校や中学校では最近は外国人の英語教師を見ますが香港のメイドのように身近に英語を話す人がいません。日本の外交力のなさはこの英会話力の低さに起因しているように思います。日本は労働力については鎖国状態です。「日本で働きたい!」という外国人は多いのに日本は固く門を閉ざしています。
労働市場の自由化がもたらすもの
イタリア名物のピザを焼くのはいま、イタリア人の若者ではなく、その多くがエジプト人だそうです。熱い釜でピザを焼くというのはイタリア人はもうしないのです。我が日本でも3Kと言われる“危険・きつい・汚い”仕事に若者が集まりません。建設業・製造業・飲食業等の会社が人材募集をしても一人の応募者も来ない、というのは最近は珍しい話ではありません。「応募者は来たとしてもなかなか続かない」と嘆く経営者が増えています。少子化の影響もジワリと労働市場に忍び寄っています。このような時期に労働意欲に富み、ハングリー精神を持った外国の若者を雇用するという労働市場の自由化が求められています。この労働市場の自由化は日本人の若者にもよい影響を及ぼします。「あんな危険な仕事をあんな安い給料でしている」やる気のない日本人の若者はそんな言葉をはいて一所懸命に働く外国の若者をあざ笑いながらまたニートを続けるのでしょうか?
汗を流すことのすばらしさを忘れた日本人に外国人労働者が教えてくれます。
「あなたがいま、この時代に日本に生まれたありがたさを感じなさい!」と!
今年も貴社とあなたにとってすばらしい年になりますように祈念しております。
代表取締役 上能 喜久治
何もしない人生なんて・・・
先日、当社の若い男性社員から「社長は失恋したことがありますか?」とたずねられました。「学生時代にふられたことがあるよ。そのときはショックで夜、先輩夫婦をたずねて一晩中泣き明かしたよ。」と当時を思い出しながら答えました。「いま思い出せばいい経験だったよ。青春時代の思い出だな。一度や二度、そんな経験をした方がいいな。その後の人生に大いに役立っている。」すると彼は「僕は失恋するのがすごくいやなんです。」と言いました。「誰も好き好んで失恋などしたくはないさ。でも失恋したときの悲しさ・せつなさ・むなしさがその後の人生に大いに役立つし、君を強い男にするものだ。」失敗すること・間違うこと・ミスすること・失恋することを極端に嫌う人がいます。失敗しない唯一の方法は何もしないことです。何もしなければ成功することも、達成することもなければ失敗することもありません。しかし、そんな何もしない人生は楽しいでしょうか?
チャレンジする・アタックする・トライする。そのなかには成功もあれば失敗もあります。失敗から多くのことが学べます。
失敗すればなぜ失敗したのか、を検討し改善すればよいのです。そこに人の成長があり、会社の発展があります。
世界一のホームラン王は世界一の三振王
868本の輝かしいホームラン記録を残した世界一のホームラン王、王貞治は世界一の三振王でもあります。1319本という三振を喫しているにもかかわらず誰も彼を「世界一の三振王」とあざ笑う人はいません。王がバッターボックスに立ったとき、ピッチャーは“ホームランを打たれまい!”として自分の得意とする球種で王の弱いコーナーを全力投球してきます。だから三振も多いのです。その三振からそのピッチャーを研究し、自分の弱点を改善していきました。輝かしい大記録のウラにはこのような多くの失敗・苦い経験があります。いまや世界一の自動車会社になったトヨタも最初の頃に製造した車は故障も多く、性能も拙いものでした。そこから“カイゼン”をくりかえし、業界のカリバーと言われたGMを追い越しました。あなた自身が失敗したことを悔やまないで下さい。あなたの子供に対して、あなたの会社の社員に対して、失敗したことを叱らないで下さい。むしろチャレンジしたことをほめてあげて下さい。そしてその失敗を成功に導くためにアドバイスし、励ましの言葉を送ってあげて下さい。
失敗した数が多いだけ、成功したときの喜び・感動が大きくなるのです。
代表取締役 上能 喜久治
自分の信念を持て!
8月15日の終戦記念日に靖国神社に参拝に行ってきました。多くの会社がお盆休みで都心も随分と車が少ない中、その一角だけが騒然としていました。賛否両論があるなかで今日の日本の礎を築いていただいた英霊にせめてもの感謝の意を示すのは日本人として、人間として当然だと考えています。しかし残念ながら安倍首相を始めほとんどの閣僚が中国や韓国からの批判を恐れてか、参拝しませんでした。これではますます安倍内閣の支持率が下がっていきます。批判・摩擦・障害を恐れていては何もできません。批判されることがいやならトップにはならないことです。信念を持ち、志を持って堂々と参拝する。他国が、他人が、マスコミが、何を言おうと、何を書こうと自分の信念を述べ、自分の志に従って行動する。歴史観や価値観が異なり、利害が対立する国から批判があるのは当然です。このようなときにこそ、一国のリーダーとして自国の輝かしい歴史を語り、国民に対して自分の信念を熱く語りかけるのです。人がああ言ったから、こう言ったからと言って自分の生き方が左右される。自己の判断に影響される。すぐに人の言うことを信じる。このような意志薄弱の人が多すぎます。あなたが社長ならあなたの会社の社員に“終戦記念日を迎えて”というタイトルであなたの信念に基づいて語ってください。「そんなことを話して何になる?」「そのようなことで売上・利益が上がるのか?」とたずねる人がいます。あなたは社員に売上アップのノウハウしか教えないのですか?
知識しか教えない先生は尊敬されない!
私が学生時代、私は尊敬できる先生を求めていました。しかし残念ながら私にとって尊敬できる先生は一人もいませんでした。私が求めていたのは決して単に知識を教えるのではなく、人間としての生き方・考え方を教えていただく先生です。しかし、例外なく私の接した先生は知識だけを教え、点数さえ上げれば、あるいはよい高校に、よい大学に進学さえすれば、一流といわれる企業に就職さえすればよかった先生ばかりでした。
私は社長として当社の社員に売上の上げ方や利益の出し方だけではなく、また税法や簿記の知識だけではなく、人間としての生き方・考え方を教えるトップでありたい、と思っています。人材育成にとってそれは遠道かも知れません。回り道かも知れません。しかしトップが会社の理念やビジョン・価値観を語らずして人財が育たないことも事実です。販売テクニックや接客マニュアルも大切ですが、そこに心を吹き込み、魂を入れ、人材を人財に育てていくのは社長であるあなたです。
代表取締役 上能 喜久治
抵抗・反発する人もいる
目標設定をすればそれに向かって努力する人と目標に抵抗・反発する人がいます。それはなぜでしょうか?また、どうすればみんなが目標に向かって進んでくれるのでしょうか?
目標に向かってがんばれる人は目標が達成した時の達成感・満足感・充実感・連帯感をイメージできます。だからその途中がどんなにしんどくても、苦しくても目標達成後の自分の姿が見えています。まわりのみんなから祝福されている姿を見ています。表彰台に上がり金メダルをいただいている自分を見ています。登頂後に飲むビールのうまさを、気持ちよい温泉に入っている自分がみえています。しかし同じように目標設定をしてもがんばるどころか、抵抗・反発する人は達成後の自分の姿がイメージできていません。それは目標達成した、という体験がありません。がんばってもどうせできない。できるはずがないとはじめからあきらめています。このような人にはだれでもできる、小さな成功体験の積み重ねをしていきます。例えば毎日、風呂を洗う。食後の食器を片付ける。トイレ掃除をする。履物を揃える。このようなだれでもできることを継続します。当然、先輩か上司がチェックし、できていれば誉めることが大切です。大きな目標実現のためにはこのような小さな成功体験が必要なのです。
目標達成するには小さな成功体験を!
私が小学1年の時、児童貯金を始めました。「毎月、貯金をすれば卒業式のときに表彰状がもらえるよ。」という担任の先生の言葉で小学6年の3月まで毎月、貯金をし、卒業式の日にその言葉通り、表彰状をいただきました。しかしその表彰状をもらったのはクラスで3人だけでした。誰でもできることだけど多くの人はやらないことを知りました。
ハネムーンはカナダに行きました。あまりにもそのカナディアンロッキーがすばらしかったので「25年後の銀婚式、50年後の金婚式にも必ずカナダに行こうね。」と妻と約束しました。今から7年前の銀婚式の9月15日にはその約束通り、妻とホテルレイクルイーズのメインダイニングで食事をしていました。私が75歳、妻が72歳のときにも必ずカナダに行けることを確信しています。
昭和63年7月1日に私は6坪の事務所で開業しました。「10年後には国道1号線沿いに自社ビルを建てる」という目標も紆余曲折の末に達成しました。
大きな目標を達成するには小さな成功体験と継続する強い意思が必要です。
あなたの目標は必ず実現します!
あなたなら必ずできます!あなたなら必ず達成します!
代表取締役 上能 喜久治
毎日が敗者復活戦!
人はみんな、幸せになりたい、幸せな人生を送りたい、と願っています。最高に幸せな人生とは自分がこの世を旅立つときに自分の人生を振り返って「ああ、ええ人生やった!」と思えることではないか、と考えています。一所懸命に働いてきた、全力投球で生きてきた、多くの人のお世話にもなった。すばらしい家族・すばらしい社員・すばらしいお客様・すばらしい友人に囲まれて最高に幸せな人生やった。「みんな、本当に本当にありがとう!」と言ってあの世へサアーと旅立つ。そのような人生を送りたい、と思っています。
中卒だから、高卒だから、二流大学だから、三流大学だから、学校の成績が悪かったから、背が低いから、太っているから・・・そんなことは幸せな人生を送れるかどうか、とは全く関係ありません。人生の途中がどんなにつらくても、苦しくても、すばらしい最後が迎えることができるかどうか、が大切です。だから人生はおもしろいのです。だから人生は毎日が敗者復活戦なのです。
しんどい・つらい・苦しい、その先にあるものは・・・
今年の内定者訓練は3月20日から24日まで5日間行いました。関連会社を含めて10名の内定者が参加しました。しかし残念ながらその翌週の入社式に来たのは7名になっていました。内定者訓練の最初にこの訓練の目的と目標を明確に言います。目的は「学生時代に別れを告げ、立派な社会人になるため」であること、目標は「最終日には全員が9つの審査項目全てに合格すること」です。働くこと・生きることはしんどい・つらい・苦しいことの連続かもしれない。ただし、それを乗り越えればその先には達成感・満足感・充実感・みんなとの連帯感が味わえる。しんどいこと・つらいこと・苦しいことを避けていれば人は強くはならない。仕事をするうえで、生きるうえでどんなにつらくても、苦しくてもそれを乗り越えてほしい。内定者訓練はそれを体験する場であることを私から話します。
「そんなしんどい会社なら辞めればいい」その親の一言で子供は会社を辞めてしまうのです。かわいい子供だからこそそのようなときに親の温かい励ましの言葉が必要なのです。「社会とは、仕事とは、人生とはそのようなものだ。つらいこと、しんどいこと、苦しいことがあってもお前なら乗り越えられる。だってお前は私の子供なのだから。」それが愛情です。そのような親の一言があなたの子供を強く、たくましく、思いやりのある子にしていきます。そのような親の子供がこの一度きりの人生をすばらしい人生にしていくのです。
代表取締役 上能 喜久治
他社はどうでもよい
給与規定作成のお手伝いをしていて驚くことがあります。それは住宅手当や家族手当、役職手当や資格手当等は付けるのか、付けるとすればそれはなぜなのか?いくら付けるのか?この話をすると多くの社長が「よそはどうですか?」と訊きます。「よそはどうでもよい!社長はどうするのか?」と私が答えます。それでも「一般的に世間はどうしていますか?」と再度、訊かれるので「家族手当なら配偶者五千円、第一子三千円、第二子二千円、第三子以降なしが一般的ですね。」と私が答えると「それじゃ、そうしておいて下さい。」となります。これでは給与規定に経営者の考え方が入らないのです。信念が感じられないのです。魂が入っていないのです。
世間や他社のことを考えるのは年齢・勤続年数・学歴・職種でいくらもらっているのか、ということだけです。成果主義賃金体系を採用するのか、年功序列賃金体系でいくのか、正解はありません。それは経営者であるあなたが判断することです。一つ一つの規定、一つ一つの手当等に経営者であるあなたの信念・考え方・価値観・魂の入ったものが必要なのです。
ちなみに当社では給与は生活給、賞与は業績給と位置づけしています。給与が上がるには次の五点を明確にしています。
①目標を達成すること
②役職が上がること
③多くの部下を育成すること
④資格を取得すること
⑤結婚し、多くの子供を育てること
ユニークな制度・規定がユニークな商品を生み出す
百人以上の社員全員が役員であり、株主であるという会社があります。当然に労働基準法の適用もなく就業規則もありません。あるいはまた、その事業年度の利益はすべて社員に分配し、いつも決算書の利益はゼロという会社があります。当然に銀行からの借入はできません。新店舗の出店等に資金が必要なときは役員だけでなく全社員が会社にお金を持ってきます。
ユニークな制度や規定はユニークな社風を生み、ユニークな社風がユニークな製品・ユニークなサービスを生んでいきます。
会社の形態や経営のやり方に他社のものまねや固定観念は払拭して下さい。あなたの会社にあったやり方、あなたの魂のこもった制度や規定、あなたの信念に基づいた経営をしていって下さい。
代表取締役 上能 喜久治
チマチマした改正では日本は変わらない!
与党の税制改正大綱が発表されました。今回の改正も小手先のもので毎年、あまり代わり映えがしないものとなっています。現在の日本の税制で所得税は超過累進税率が適用され、最高税率は住民税とあわせて50%です。私ならこの最高税率を40%に下げ、勤労意欲が萎えることがないようなものにします。また、高額納税者を表彰し、感謝状を授与します。多くの税金を納めている人は多大な社会貢献をしているにも拘わらず、表彰状一枚、感謝状一枚さえもらえない現状で果たしていいのでしょうか?
りっぱな成人に達しているにも拘わらず、働かない人が増えています。所得がないから税金もゼロとなっています。このようなニートには年50万円のニート税を課します。また、少子化対策として30歳を超えても独身でいる人にも所得税とは別に年25万円の独身税を課します。
自己都合で退職した場合は雇用保険の支給はせず、失業中は逆に2倍の雇用保険料を徴収します。ゴネ得を許さず、自分勝手を許さず、甘えを許さず・・・それがりっぱな社会人をつくり、すばらしい会社をつくり、誇れる国をつくる礎となります。
なぜ何も言わないのか?
日本の隣国の韓国・中国・台湾・ロシアなどみんな徴兵制を強いています。また、中国もロシアも北朝鮮までもが核弾頭を所有しています。にも拘わらず、政治家といわれる人たちは日本の徴兵制も核保有も議論さえしません。“臭いものに葢”をしていては国家百年の計が間違った方向へ行きかねません。
あなたはあなたが生まれ育ったこの日本が大好きですか?
あなたはあなたが日本人であることを誇りに思っていますか?
働くことが美徳であり、正直者がちゃんと報われる社会を作っていきたい、と強く思っています。働けるのに働かない、生活保護を受けないと損、もらえるものはもらわないと損。いつからそのような日本人が増えたのでしょうか?
今年もあなたと貴社にとって最高の一年となります様に祈念申し上げております。
代表取締役 上能 喜久治
儲かる会社は生産性が高い!
業種を問わず、収益性の高い会社と低い会社があります。その違いはどこにあるのでしょうか?ここにTKCのBAST値があります。これはTKCという計算センターで処理された企業の生データの業種別集計値です。それによれば業種を問わず、優良企業には社員一人当たりの年間粗利益額に共通点があります。製造業1104万円・建設業988万円・小売業924万円・サービス業1000万円というように年間社員一人当たりおおよそ1000万円以上の粗利益額を上げています。それに対して赤字企業も含めた全企業の平均値は約600万円です。つまり売上高経常利益率等の収益性や自己資本比率等の安全性を高くするには社員一人当たり(正社員1人、パート・アルバイト0.5人として算出)の生産性を高める必要があります。それではその生産性を高くするにはどうすればよいのでしょうか?
生産性を高めるには?
あなたの会社で働く社員にはいろいろな能力(スキル)を持っています。その社員が持っている今の能力を少しずつ上げていきます。そのためには
もう少し難しい仕事
もう少し早い納期の仕事
もう少し多い量の仕事
を与えていきます。生産性を高めるにはこの仕事の与え方が重要なのです。このとき、多くの現場では「できません」という言葉に遭遇します。この「できません」という言葉に引き下がっていてはいつまでたってもあなたの会社の生産性は上がりません。「君ならできると思って頼んでいるんだ」「責任は俺が取るから」「わからなかったらいつでも聞いてや!」という励ましの言葉・安心させる言葉・やる気にさせる言葉が必要なのです。この結果、社員は成長し、それが働きがい・やりがい・生きがいにつながります。また、会社の生産性がアップし、その結果、収益性・安全性が高まっていきます。
一人一人の社員が昨年と、三年前と、五年前と同じ仕事をしていたのでは会社の生産性は上がらず、社員も成長しません。あなたの会社が優良企業になるための第一歩は社員への仕事の与え方にあり、社員一人当たりの年間粗利益額を1000万円以上にするための戦略を練り、計画を立て、行動をしてください。
代表取締役 上能 喜久治
「社長をやめなさい!」
「社長は孤独だ!」と嘆く人がいます。どこの会社でも社長は一人です。それに比べ社員はたくさんいます。孤独がいやなら社長にはならないことです。また、社長は多くの場合、最高経営責任者(CEO)です。社員が起こした失敗・ミス・クレームの責任をとらなければなりません。責任を取ることがいやなら社長にはならないことです。業績がよければ社員のおかげであり、業績が悪くなれば社長の責任なのです。資金繰りが苦しくなれば社長の私財を投入し、その投入した私財が返ることなく債権放棄せざるを得ないことも珍しくありません。それがいやなら社長にはならないことです。社長は孤独で責任が重く、私財提供も厭わない人です。だから社長なのです。
売上が計画通りに上がりません。利益が予想に反して出ません。社員が思うように動いてくれません。その責任もすべて社長であるあなたの責任です。言い訳をするのなら、社員のせいにするのならあなたは社長には向いていません。あなたの後継者を選んですぐに社長を辞めてください。
社長の器を大きくするには
こんな会社にしたい、こんな社員に育ってほしい、というあなたが理想とする会社の姿があります。しかし現実は理想とは大きな差があります。だから悩むのです。だから苦しむのです。その悩み・苦しみが大きければ大きいほどあなたは立派な経営者になっていきます。それに反して嘆き・あきらめ・非難はあなたをダメ経営者にしていきます。
「会社は社長の器で決まると言われているがどうすれば社長の器は大きくなるのですか?」という質問を受けることがあります。社長が悩んだ数だけ、社長が苦しんだ数だけ、社長であるあなたの器が大きくなっていきます。逆に言えば社長として悩まなければ、苦しまなければ器は大きくはならないのです。悩むこと・苦しむことがいやなら社長にはならないことです。人は問題に直面したときにはすばらしい智恵がでてきます。工夫をします。努力します。だから経営者として大きく成長していきます。問題が大きければ大きいほど、困難であれば困難であるほど、それを乗り越えるたびに経営者として自信と誇りが付いてくるのです。
もっと悩め!もっと苦しめ!
それがあなたの器を大きくしていく!