代表取締役 上能 喜久治
事業承継したが果たして・・・
創業者である父から社長を引き継いで20年という、ある経営者のお話です。その経営者を見ているといつも苦しんでいるのです。ヒトの問題、カネの問題等で「大変だ」「困った」「難しい」というのが口癖でした。ある日、そのような姿を見てその方に次のように尋ねました。「社長は経営することを楽しんでいますか?」と・・・。するとその社長は大きく首を横に振り「経営することが楽しいなどと思ったことは一度もない」と言われました。それではなぜ社長を親から引き継いだのでしょうか?親が社長で自分がその長男だから・・・。親から会社の引き継ぎを懇願されたから・・・。その経営者にとって“経営者”という職業を選択したことは果たして良かったのでしょうか?
生きることも経営することも勉強することも辛いこと、しんどいこと、苦しいことがあります。しかし、その中に楽しさ、面白さもあります。どんなに辛くても、どんなに苦しくてもその中に楽しさ、面白さを見いだすのです。昔、聖少女ポリアンナ物語というアニメがありました。主人公のポリアンナは辛い、苦しい毎日の中で今日一日の“よかった探し”をするのです。その日一日のなかでささやかな喜びを探すのです。そうすると毎日毎日、小さな喜びがいっぱいあるのです。
心の持ち方ひとつで・・・
江戸幕府を開いた徳川家康でさえ“人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし”と言っています。征夷大将軍として何でもできた、何でも手に入ったあの家康でもです。
英語の単語や漢字を覚えるとき、歴史の年号を覚えるときでも興味を持てばスラスラと覚えることができます。反対にイヤイヤ覚えようと思っても覚えられないものです。「サルスベリという木は6月から9月にかけて赤い花を百日にわたって咲き続けるので漢字では百日紅と書きます」と教えていただいた国語の先生の言葉を今も覚えています。サルスベリの花を見るたびにその漢字とその先生を思い出します。
東日本大震災の影響が直接・間接に全業界に及んでいます。厳しい経営環境が続く昨今ですがいつの時代も経営することは楽ではありません。大なり小なり毎日のようにいろんな問題が生じます。その問題を解決していくことはなんと面白いことでしょうか!エキサイティング&ドラマティックエブリディではありませんか!会社で、お店で、事務所で、工場で毎日のように起こる問題、トラブル、クレーム。それがいやだなぁ、と思ったら経営することは辛く、苦しいものになってしまいます。
「今日もきっとよいことがある!」とワクワクした気持ちで朝を迎えればすばらしい一日となります。何事も考え方・心の持ち方ひとつであなたの人生も、あなたの会社も大きく変わっていきます。
代表取締役 上能 喜久治
お金さえあれば幸せなのか?今がよければそれでよいのか?
我が国の日本は戦後の高度成長以降、とても豊かになりました。食材は豊富にあり、オフィスもお店も家も空調は完備され、蛇口をひねればいつでも水もお湯も出てきます。トイレはウォシュレットで温かい便座です。近くには24時間営業のコンビニがあり、それらが当たり前のように思っていました。しかし、この度の大震災で露呈したのはそれらは原子力発電所や石油タンクのような危険と隣り合わせの上に成り立っていることです。この震災は“もっと謙虚に”“もっと質素に”“物の豊かさより心の豊かさを”と天からの警告のように感じます。お金がすべての尺度となり、今が楽しければよい、自分さえよければよい、我が社さえ儲かればよい、といった風潮が蔓延していました。
「金だけ」という拝金主義、「今だけ」という刹那主義、「自分だけ」という利己主義はこの震災を契機にして断固として排除するよい機会となろうとしています。被災地の状況が世界に報道され、秩序ある行動・すばらしい礼節が驚きとともに絶賛されています。助け合い、励ましあい、手を差しのべ、自分に、自社にできることをする。これが農耕民族である本来の日本人ではないでしょうか?
強く、優しく、貢献する会社に!
東日本大震災ではジャパネットたかたの高田社長は5億円、ユニクロのファーストリテイリングの柳井社長は10億円、ソフトバンクの孫社長は100億円の寄贈をされました。“儲かっているから”“売名行為で”したのではありません。こういう時のために、こういう事があれば使おう、お役に立とう、という想いがまず最初にあったからです。“世の中のお役に立ちたい”という想いがあったからそれぞれの会社は大きく成長したのです。自分さえよければよい、我が社さえ儲かればよい、という想いで経営しているからいつまでも売上があがらない、資金繰りが苦しい赤字会社になってしまいます。
あなたは何のために会社を経営しているのですか?
あなたの会社は何を持って世の中に貢献していくのですか?
しっかりとした経営理念、世のため人のためにお役に立ちたいという想いが大切なのです。会社は公器です。そこには社員がおり、その家族がおり、得意先やお客様がおられ、取引先や取引銀行があり、株主や地域の人々がいます。地震や台風のような災害もあれば法律の規制もあります。だから強い財務体質にしておかなければならないのです。我欲だけで経営していては誰も助けてくれません。誰も手を差しのべてくれません。この度の大震災を契機にして経営の在り方、経営者の想いを今一度、考える機会にしてはいかがでしょうか。
代表取締役 上能 喜久治
採用しない企業が悪いのか?学生の質が低いのか?
今春卒業予定者の就職内定率が史上最低の57.6%(平成22年11月末現在)である、と報じられ、新卒者の就職の厳しさが浮き彫りになりました。そしてテレビや新聞等のマスコミと共に政府までもが新卒者採用数を減らした企業が悪者扱いにされています。毎日、多くの中小企業の経営者と接している私から見れば“バカなマスコミ”であり“アホな政府”に写ります。昨今のような厳しい経営環境下であっても多くの中小企業は若さとやる気にあふれた新卒者を採用したいと思っています。しかし残念ながら学生はそのような中小企業には見向きもせず、大企業や公務員志向が強くなっています。30名にも満たない当社に応募してくる学生との面接時に「どんな人生を送りたいか?」と尋ねると「平凡な人生」「安定した人生」と答える学生が多くいます。そう思っているから少しの困難やちょっとした問題に直面するとそこから逃げようとするのです。その困難や問題から逃げることなく、避けることなく、乗り越えれば大きな自信と成長した自分がそこにあるのに・・・。
当社の内定者訓練は5日間あります。昨年の内定者訓練で、一人の女子内定者が2日目の朝、「内定を辞退したい」と申し出てきました。「私が思っていた会社と違う」というのがその理由でした。「誰かに相談したの?」と聞くと「同い年の彼に相談しました」「その彼は何と言っているの?」「“いやだったら辞めたら”と言いました」「親には言ったの?親は何と言っているの?」「“気をつけて帰っといでや!”と言っています」この事件を契機にして当社の新卒者採用は約15年間にわたる幕を下ろしました。
心身とも強健な人材を送り出す提言
私が総理大臣なら内定が決まっていない学生に向かってこう訴えます。「希望者に限り、自衛隊で2年間、君たちをみっちりと鍛えます。そして2年後に逞しくなって世に送り出します!」それとともに経団連等の経営者団体に向かってこう訴えます。「2年後に心身とも逞しくなった若者を輩出します。ぜひ、このすばらしい若者たちを採用してあげてほしい!」と・・・。
憲法を改正することもなく、少しの予算を計上するだけで国を愛し、知識と技術と意欲を持った若者が増えるのです。
今、政府は各種の補助金・助成金・税額控除等で雇用を確保しようと躍起になっています。しかし、この“お金で解決”しようとするその姿勢・考え方は何ら学生の意識を改善することも意欲を高めることもありません。いや、むしろ“もらえるものならもらわなければ損”という風潮を助勢し、それが生活保護所帯数の増加等にも繋がっています。安直な政治家が安直な政策を掲げ、安直な国民を生んでいきます。崇高な理念のもとにすばらしい政策を実行していくことがすばらしい日本人、りっぱな社会人を育てていきます。
代表取締役 上能 喜久治
働く喜びに生きよう!
かつて日本が高度成長を続けていた頃に“日本人は働きすぎだ”という批判が世界から巻き起こりました。そして週40時間労働となり会社も学校も週休2日制となりました。最近では早く出勤することも禁止され、始業30分前までに出社してはいけない会社が多くなり、銀行や企業の社員通用門の前で出社してきた社員が自分の会社に入れず、列をなしている姿をよく見受けるようになりました。こんなおかしな風景を誰も不思議に思わないのでしょうか?
日本では労働は美徳である、と言われてきました。よく働く人が立派な人でした。世界から働きすぎの批判があれば堂々と日本人のすばらしい労働観をなぜ世界に向かってアピールできないのでしょうか?人生観や結婚観のような価値観は人種により、あるいは民族によりそれぞれ異なります。自分の働きを通じて世の中に貢献できるのです。働く喜びこそ、生きている喜びなのです。「働かされている」という被害者意識から労働時間の制限がでてきます。働く喜びを感じている人にとって、それを制限されることは大きな迷惑であり余計なお節介なのです。
職業に貴賤の別はない
学校ではただ単に知識を教える教師よりも学ぶことの楽しさ・おもしろさを生徒や学生に伝えることができる教師の下にはできる生徒が育ちます。
会社ではただ単に管理するだけの上司よりもそこに働く人たちに働くことの尊さ・すばらしさを伝えることのできる先輩や上司が部下から尊敬されます。不足不平を並べ立てる上司をどうして部下が尊敬するでしょうか?
働きの意識レベルを5つに分けると次のようになります。
(1)嫌働・・・いやいや働く
(2)被働・・・働かされている、という被害者意識で働く
(3)労働・・・時間から時間まで働く
(4)喜働・・・喜んで働く、働くことが喜び
(5)遊働・・・働くこと自体が遊び
「一所懸命に働くことが恥ずかしい」というような若い人たちの労働観を覆すほどのしっかりとした信念を上司や社長が持てば職場が変わり、会社が変わり、日本が変わるのです。働くことにやりがいを感じることなく、喜びも感じないからうつ病が蔓延するのです。大企業で働くことや公務員になることがよいのではありません!どんな会社であってもどんな職業であっても自分の仕事に誇りを持ち、働くことに喜びややりがいを見いだし、世の中に貢献していくことこそ日本人のすばらしい労働観であり、このことを全世界にアピールしていきたいものです。
代表取締役 上能 喜久治
物価も株価も地価も
去る7月1日に平成22年の路線価が発表されました。この路線価とは今年中に土地を贈与したり、相続した場合にその土地の評価をするときに使うものです。今年の路線価は前年の平成21年に比べて大阪府平均で9.4%下落しました。このように今、地価や家賃の下落が続いています。株価や物価も上がりません。製造業や建設業では見積もりの依頼はあるがなかなか受注につながらない、と聞きます。このようなデフレ経済でも悪いことばかりではありません。多くの企業にとって最大の経費である人件費も下がっています。また、借入金の金利も日銀のゼロ金利政策で過去最低の水準で推移しています。さらに円高により輸入価格も下がります。
ところが人件費を下げようと経営者が思っても就業規則や賃金規定を改定しないと多くの企業の賃金規定は定時昇給の定めはあっても減給の規定はありません。売上単価が下がり、粗利益率が下がれば当然に経費を下げなければ企業経営は維持できなくなります。つまり、インフレ時代につくった諸規定は随時、企業環境の変化に対応して変更していかなければなりません。また、社員を始め取引先や取引銀行の協力も不可欠です。ところが厳しい企業環境は経営者であるあなたほど社員は感じていないかも知れません。春になれば雪が解けるのが当たり前のように春になれば昇給するのが当たり前、と思っています。経営の厳しさを具体的に、かつ解りやすく伝えて協力をお願いしなければなりません。その協力がなければあなたの会社は赤字どころか倒産の危機さえ現実味を帯びてきます。
デフレを活かそう!
昨今のデフレ経済のもとでは売上単価も下落しますが仕入単価も下落するのが通常です。ところが仕入も人件費も家賃も借入金利も相手から“下げます”とは言ってきません。つまり、仕入先や社員、取引銀行等に協力をお願いしなければなりません。
また、地価が下落しているため収益物件の不動産の単純利回り(予想年収家賃÷取得価格×100)が10%以上というのも珍しくありません。つまり不動産取得の大きなチャンスの時期です。ただし不動産ならどこでもよい、というのではありません。私は常々”不動産は動産”と言ってきました。不動産を取得するなら駅から5分以内、または幹線道路沿いに限ります。それならいつでも売却できるからです。いつでも換金できるからです。株価も大きく下落している今、取得する銘柄さえ間違わなければさらに下落する確率は低く、上がる確率は高いのです。経済は常に動いています。その経済の動きを上手に活かせばあなたの会社経営とあなたの財産形成に大きく寄与します。しかし、何もしない、ただ嘆いているだけではいつまでも幸せの女神様はあなたに微笑みません。
代表取締役 上能 喜久治
離婚の増加と家族の崩壊
大阪市西区で発生した幼児二人の置き去り事件は多くの人々に大きな衝撃を与えました。“暑かったでしょう。淋しかったでしょう。おなかも空いたでしょう。”という子供たちへの同情とその母親に対する非難の声が高まっています。この事件の前にその母親は離婚し、風俗店に勤めながらホストクラブに通っていました。最近、多く報道される幼児虐待も夫と離婚し母子家庭となったところに別の男が家に入り込み・・・と言ったケースが目立ちます。また、百歳以上の高齢者の行方不明事件も親子関係の希薄化に驚く事件でした。離婚の増加と家族の崩壊に嘆いていても事態は何ら好転しません。それでは会社のトップは経営者として、人間としてどうすればよいのでしょうか?何をしなければいけないのでしょうか?それは他人の話として傍観者でよいのでしょうか?それらの事件はいつ、あなたの会社の社員の事件になるかも知れません。
今こそ倫理経営を!
会社経営は売上をあげ、利益さえだせばよいのでしょうか?社員教育は知識教育と技能教育だけでよいのでしょうか?業績さえあげていればその社員の家庭生活や家族には無関心でよいのでしょうか?
このような事件が続出している今だからこそ多くの会社で、お店で、工場で倫理経営をしていく必要があります。倫理経営は経営ノウハウではありません。倫理経営をすれば社員もイキイキとし、働くことが楽しくなります。倫理経営は少しずつ、そして着実に業績をあげていきます。倫理経営には社員教育の中に必ず人間教育が入ります。
倫理経営をすれば、挨拶をすることのすばらしさに気付きます。
倫理経営をすれば、清掃することの大切さがわかります。
倫理経営をすれば、家族や先祖に感謝する心が高まります。
では、どうすれば倫理経営ができるのでしょうか?
(1)まず経営者であるあなたが経営者モーニングセミナーに参加し、あなた自身が変わることです。会社
の誰よりも早く起床し、早朝より倫理経営を学んでいきます。
(2)次に「職場の教養」を使って活力朝礼を行います。元気な挨拶・大きな声・テンポ・気合い・完全燃焼(全力)等がポイントです。
(3)家族や会社で抱える問題について“倫理指導”を受け、実践していきます。
(4)富士高原研修所での二泊三日の“経営者セミナー”を受講します。
等です。
倫理経営で経営者であるあなたが変わり、社員が変わり、社風が変わり、業績が上がっていく。厳しい経済環境が続く昨今だから、家族の絆が希薄な世の中だからこそ強い信念を持って倫理経営であなたの会社を変えていって下さい。
代表取締役 上能 喜久治
大きいことはいいことか?
ずいぶん前に作曲家の故山本直純さんが「大きいことはいいことだ!」と言っていたコマーシャルがありました。会社経営も大きくすることがいいこと、と思われていた時代がありました。規模を大きくすれば大量仕入で安くすることができる、会社が大きくなれば優秀な人材が採用できる、等々。ところが最近は大きくすることがいいことではないことがわかってきました。
会社の規模を表すには次のようなものがあります。
(1)年商 (2)従業員数 (3)資本金額 (4)総資本額
一方、会社の財務上の強さを表す指標には次のようなものがあります。
(1)社員一人当たり粗利益額(生産性) (2)総資本経常利益率(収益性) (3)自己資本比率(安全性)
これらの財務指標で業種を問わず、優良企業と言われるところは社員一人当たり粗利益額が年1000万円以上、総資本経常利益率が10%以上、自己資本比率が50%以上です。そして財務体質を強くするにはまず、生産性を高める必要があります。生産性が高まれば収益性が高くなり、またその結果として安全性が高まり、財務体質が強くなります。
売上よりも利益を、利益よりも・・・
しかし残念ながらいまだに売上を追いかけている経営者が多くいます。売上を追いかけると安値販売、赤字受注、広域営業、取扱商品の増加等になり、その結果、貸し倒れや未回収・不渡りの発生、在庫の激増等となってきます。大切なことは売上をあげることではありません。利益です。しかし利益も追いかけるものではありません。あなたの会社を強くするには・・・そう、生産性を高めることです。その生産性を高めるにはあなたの会社の社員、あなたのお店のスタッフに今一度、基本の挨拶、気配り、改善等の社員教育を行うことです。ただし、この社員教育を実施する目的はその社員の成長を心から願うことから始まります。会社の、お店の売上をあげたいから、利益をだしたいから行うのではありません。経営者であるあなたが、あなたの会社・お店で働く人たちを心から応援するのです。心からエールを送るのです。同じように社員教育を行ってもそれを実施する趣旨や目的・想い・考え方でその成果は大きく違ってきます。会社の財務体質を強くするにはまずしっかりとした理念のもとに社員教育から行いましょう。
代表取締役 上能 喜久治
花は枯らす!モノは壊す!
会社の自転車を乗ろうとしたらタイヤの空気が入っていません。自転車のチェーンを見たら錆びています。思わずその自転車のタイヤに空気を入れ、チェーンに油を注しました。毎日、その自転車を使っている社員がいるのになぜそのことに気付かないのでしょうか?
この冬、当社一階のツツジやハナミズキの植栽に油粕のような寒肥をやるのを怠ったためか、春のこの時期の開花に今一つ、勢いがありません。開花後にやる即効性の“お礼肥”は必ずやろう、と思っています。毎日、当社の社員もその入口横の植栽を見ているのになぜ感じないのでしょうか? 仕事には毎日する仕事・毎月する仕事・毎年する仕事があります。多くの人は昨日した仕事と同じように今日の仕事をし、先月した仕事と同じように今月の仕事をし、昨年した 仕事と同じように今年の仕事をしています。もっと速くできないか?もっとコストを安くできないか?もっと正確にできないか?もっとお客様に喜ばれるようにできないか?それをなぜ考えないのでしょうか?
“ちょっと”は大きい!
空気圧の減ったタイヤの自転車に乗るよりちょっと空気を入れるだけで、錆びたチェーンの自転車に ちょっと油を注すだけではるかに軽快に乗れるのに・・・。何もしない、何をしようともしない。それには次の三つのいずれかの原因があります。
(1)面倒・・・誰かがするだろう。自分はしない、したくない。
(2)遠慮・・・自分がしてよいのか?しないほうがよいのではないか?
(3)鈍感・・・気付かない。感じない。
人により、社員によりその原因は違いますがその人の性格や考え方、それとあなたの会社の社風に大きく左右されています。会社の自転車に誰かが空気を入れてくれた、誰かがチェーンに油を注してくれた。上司であるあなたが、社長であるあなたこそがまず、そのことに気付き、言葉にして褒めてやらねばなりません。“しない・やらない・気付かない”ことを嘆く前に、あなたがマメにそのちょっとした変化に気付かなければなりません。そう、その“ちょっと”は大きいのです。社員が、スタッフがしてくれたその“ちょっとしたこと”をトップであるあなたが心から喜ぶのです。心から褒めるのです。そこから少しずつ、社風が変わっていきます。あなたの会社に、あなたのお店に“気付く・感じる・考える”社員が、スタッフが増えていくのです。
あなたが気付けば社風が変わる!
社風が変われば会社が変わる!
代表取締役 上能 喜久治
過去はもう過ぎ去った!
過去の延長線上に将来があるのではありません。過去の業績の推移や過去にやったことの振り返りや反省から入るから現在を嘆くのです。将来を憂えるのです。過去は過去です。もう過ぎ去った過去です。過ぎ去った過去を悔やんでも嘆いても、もう元には戻りません。それよりも大切なことは今をどう生きるかです。今をどう生きるかは将来、どのようになっていたいのか?つまり将来、なりきった会社を、お店を、工場を思い描くのです。その姿を思い描くのです。将来から現在を見るのです。未来のあなたが過去を振り返ってこうつぶやくのです。「あの時に実行したあのことが今、このようになって花が開く。」「今、こうしてあるのはあの時にみんなでやったから、みんなで努力したからだ。」
多くの経営者は今までの自社の業績の推移をみて今期に実施する計画を立てます。あるいは今までの業績の延長線上に中長期のビジョンがあります。銀行の融資担当者は過去の決算書を見て融資を決定します。違うのです!全く違うのです!将来、このような会社にしたいから、今やることが見えてきます。今やらなければならないことがわかります。会社を取り巻く環境は今、すごい勢いで変わっています。あなたはいつまでそのように過ぎ去った過去に目が行くのですか?あなたはいつまで過去の成功体験に酔いしれているのですか?
自分のこれからの人生を、自分の会社の将来を思い描け!
先日、当社の顧問先の社長からすばらしいお話をお聴きしました。
「私は88歳でこの世と別れを告げます。沖縄でハーレーダビッドソン(二輪車)に乗っているときに道路の横から子猫が飛び出してきて、それを避けようとしてハンドルを切ったら飛んで沖縄の海に落ちて亡くなります。私の葬儀には二千人の参列者があり、厚生労働大臣が弔辞を読んでくれます。」
その社長は薬店を経営されていますが、30兆円にものぼる医療費の削減に業界をあげて取り組まれています。自分の葬儀に厚労相に来ていただくには今、何をしなければならないのか、が見えてきます。わかってきます。驚くことになんと、その社長は二輪車の運転免許証も今はまだ持っておらず、ハーレーにも乗ったことがないのです!
自分や自社のことだけではなく、このように業界のことを想い、国家のことにも目を向けるのです。“我社さえ儲かればいい” “自分さえよければいい”という会社や経営者にはいつまでも将来は思い描くことができません。いつまでも将来の女神はほほ笑みかけません。あなたの人生の、家族の、会社の、業界の、地域の、国家の、地球の将来を想い描いて下さい。
すばらしい将来、輝かしい未来にするために、さあ、動こうではありませんか?
代表取締役 上能 喜久治
“自由”を履き違えるな!
当社の採用面接の時、学生に必ずする質問があります。「あなたが就職活動をするにあたって、あなたの親から何かアドバイスはありましたか?」と訊ねます。すると多くの学生は「親からはお前の好きなようにしたらいい、と言われています。」と答えます。子供は、学生は、社会を知りません。子供が就職活動をするというのに多くの親は何のアドバイスもしません。社会経験が豊富な親が自分の子供が就職するにあたり、適切なアドバイスをなぜ、しないのでしょうか?“好きなようにしたらいい”と言って、物分りのいい親を演じているのでしょうか?これは次のようなものに繋がっています。
「会社の仕事がしんどいので辞めたいけど・・・」「お前の好きなようにしたらいい」
「できちゃったので結婚したいけど・・・・・・」「お前の好きなようにしたらいい」
「価値観が合わないので離婚したいけど・・・・」「お前の好きなようにしたらいい」
“自由”という言葉を履き違え、親の責任を放棄しているのでしょうか?あまりにも「仕方がない」「好きなようにしたらいい」という言葉が多すぎます。
親の一言で退職も離婚も防げる!
家族とは、結婚とは、仕事とは、人生とは、という話題で子供たちにしてあげてほしいのです。すると、次のような言葉が返ってくるかも知れません。
「時代が違う!」
「うるさい!やかましい!」
「子供の自由でしょ!」
そのような言葉に怯むことなく、堂々と親としての信念を伝えて下さい。
私が初めて社会に出て勤めた会社の上司から入社早々に次のように言われました。
「上能君、髪の毛が長いから散髪に行って来い!」
家に帰って、母に「今、ロングヘアが流行っているのに上司は何もわかっていない」と言いました。すると母は「そのように言ってくださる会社がいいんだ。そう言っていただける上司のお方がすごい。」と言ってくれました。そしてすぐに私は散髪に行ったことを覚えています。もし、母が「うるさい会社やね。いやな上司やね。」と言っていたら早々に私はその会社を辞めていたことでしょう。このように子供に対する親の一言がその子に大きな影響を及ぼすのです。
「離婚したい」とあなたの子供が言ってきたとき、「もう二人で決めた事だから・・」と言われても二人の言い分を聴き、諭して下さい。親であるあなたが諭さなければ誰が諭すのでしょうか?人生経験が浅い友人では同情はできても諭すことはできません。また、その友人が独身者であったり、離婚経験者では適切なアドバイスはできません。
あなたが親だからあなたの一言が子の人生に大きな影響を与えるのです!