JSK通信

未曾有の不況に備えよ!!

代表取締役 上能 喜久治

原油も食糧も・・・

原料の、資材の、食品の価格が上がり続けています。マンションや住宅の販売もパタリと止まっています。若者の車離れはガソリン価格の高騰が拍車をかけています。中小企業まで裾野が広い建設業界・自動車業界・家電業界の中で好調な業界はなくなりました。
個人消費も所得が増えない結果、低迷が続きます。不況下の中の物価高、まさしくスタグフレーションの様相を呈してきています。このようなときに企業はどのように対応すればよいのでしょうか?
それは徹底したムダの排除です。作りすぎのムダ・在庫のムダ・運搬のムダ・時間のムダ・人のムダ等です。工場はもちろんのこと、店も事務所も眺めてみれば多くのムダが見つかります。このような時期に売上を上げる努力は労多くして益は少ないものです。当然に売上を伸ばさなくても良い、と言っているのではありません。利益を上げるためにまず、ムダの排除を徹底して下さい。

豊かさの中で人は強くならない

企業環境の変化を一番敏感に感じているのは経営者であるあなたです。それはあなたの会社の仕入・在庫・売上・資金繰り・人の動き等の情報が全て把握しているからです。だから最適な戦略を打ち出し、方針を示し、指示をします。好況のときには会社は強くなりません。不況のときにこそ、それを乗り越えるたびに会社は強くなっていきます。豊かさの中で人は強くなりません。逆境や貧しさの中で人も強くなっていきます。これから来るであろう不況は未曾有のものであろう、と見ています。このようなときに従来と同じことをしていればこれを乗り切ることはできません。先日、ある会社に訪問するとクーラーがかかっていません。窓を開けて照明も窓際や廊下は消していました。社長に訊ねると「外の気温が30度を超えないとクーラーをつけない」とのことでした。このようなアイデアはすべて社員から出てきたものだそうです。自分たちの会社だからみんなで会社を守っていく。企業環境が厳しくなればなるほど、それに対応できる企業とそうではない企業の差がはっきりと出てきます。社風が甘く、厳しくすれば社員が辞めていく。それは何の社員教育もしていない、何も教えていないからです。
会社も人も厳しさの中で育っていくものです。厳しい冬があるから春の暖かさを感じるのです。さあ、みんなで力を合わせて智恵を出し、工夫し、努力してください。未曾有の不況を乗り切ったとき、あなたの会社も社員も大きく成長しています。