JSK通信

今こそ社員教育の実施を!

代表取締役 上能 喜久治

大きいことはいいことか?

 ずいぶん前に作曲家の故山本直純さんが「大きいことはいいことだ!」と言っていたコマーシャルがありました。会社経営も大きくすることがいいこと、と思われていた時代がありました。規模を大きくすれば大量仕入で安くすることができる、会社が大きくなれば優秀な人材が採用できる、等々。ところが最近は大きくすることがいいことではないことがわかってきました。
 会社の規模を表すには次のようなものがあります。

 (1)年商 (2)従業員数 (3)資本金額 (4)総資本額

一方、会社の財務上の強さを表す指標には次のようなものがあります。
 (1)社員一人当たり粗利益額(生産性) (2)総資本経常利益率(収益性) (3)自己資本比率(安全性)

 これらの財務指標で業種を問わず、優良企業と言われるところは社員一人当たり粗利益額が年1000万円以上、総資本経常利益率が10%以上、自己資本比率が50%以上です。そして財務体質を強くするにはまず、生産性を高める必要があります。生産性が高まれば収益性が高くなり、またその結果として安全性が高まり、財務体質が強くなります。


売上よりも利益を、利益よりも・・・

 しかし残念ながらいまだに売上を追いかけている経営者が多くいます。売上を追いかけると安値販売、赤字受注、広域営業、取扱商品の増加等になり、その結果、貸し倒れや未回収・不渡りの発生、在庫の激増等となってきます。大切なことは売上をあげることではありません。利益です。しかし利益も追いかけるものではありません。あなたの会社を強くするには・・・そう、生産性を高めることです。その生産性を高めるにはあなたの会社の社員、あなたのお店のスタッフに今一度、基本の挨拶、気配り、改善等の社員教育を行うことです。ただし、この社員教育を実施する目的はその社員の成長を心から願うことから始まります。会社の、お店の売上をあげたいから、利益をだしたいから行うのではありません。経営者であるあなたが、あなたの会社・お店で働く人たちを心から応援するのです。心からエールを送るのです。同じように社員教育を行ってもそれを実施する趣旨や目的・想い・考え方でその成果は大きく違ってきます。会社の財務体質を強くするにはまずしっかりとした理念のもとに社員教育から行いましょう。