代表取締役 上能 喜久治
「社長をやめなさい!」
「社長は孤独だ!」と嘆く人がいます。どこの会社でも社長は一人です。それに比べ社員はたくさんいます。孤独がいやなら社長にはならないことです。また、社長は多くの場合、最高経営責任者(CEO)です。社員が起こした失敗・ミス・クレームの責任をとらなければなりません。責任を取ることがいやなら社長にはならないことです。業績がよければ社員のおかげであり、業績が悪くなれば社長の責任なのです。資金繰りが苦しくなれば社長の私財を投入し、その投入した私財が返ることなく債権放棄せざるを得ないことも珍しくありません。それがいやなら社長にはならないことです。社長は孤独で責任が重く、私財提供も厭わない人です。だから社長なのです。
売上が計画通りに上がりません。利益が予想に反して出ません。社員が思うように動いてくれません。その責任もすべて社長であるあなたの責任です。言い訳をするのなら、社員のせいにするのならあなたは社長には向いていません。あなたの後継者を選んですぐに社長を辞めてください。
社長の器を大きくするには
こんな会社にしたい、こんな社員に育ってほしい、というあなたが理想とする会社の姿があります。しかし現実は理想とは大きな差があります。だから悩むのです。だから苦しむのです。その悩み・苦しみが大きければ大きいほどあなたは立派な経営者になっていきます。それに反して嘆き・あきらめ・非難はあなたをダメ経営者にしていきます。
「会社は社長の器で決まると言われているがどうすれば社長の器は大きくなるのですか?」という質問を受けることがあります。社長が悩んだ数だけ、社長が苦しんだ数だけ、社長であるあなたの器が大きくなっていきます。逆に言えば社長として悩まなければ、苦しまなければ器は大きくはならないのです。悩むこと・苦しむことがいやなら社長にはならないことです。人は問題に直面したときにはすばらしい智恵がでてきます。工夫をします。努力します。だから経営者として大きく成長していきます。問題が大きければ大きいほど、困難であれば困難であるほど、それを乗り越えるたびに経営者として自信と誇りが付いてくるのです。
もっと悩め!もっと苦しめ!
それがあなたの器を大きくしていく!