代表取締役 上能 喜久治
竜は経験を食べて人格が高まる!
人口が70万人というアジアの小国、ブータン。その国王夫妻が来日され、国会での演説や東日本大震災の被災地である福島県を訪問され、テレビや新聞で連日、報道され大きな話題となりました。国民総幸福度が世界一高く、90%以上の国民が幸せと答えるブータン。決してモノは豊かでなくても心が豊かな人々がいる国だ、ということはまだ若いその国王夫妻のお言葉や振る舞いからうかがい知ることができました。その国王が福島の小学生に次のようなお話をされていました。
「皆さんは竜を見たことがありますか?竜は経験を食べて人格が高まるのです。」ブータンの国旗にはその竜が描かれています。そして多くの経験を踏んだ年長者やお年寄りが尊敬される国民性なのです。東日本大震災の被災を知り、ブータンでは三日間、喪に服してくれました。なんと心やさしく、心美しい人たちなのでしょうか!年間3万人以上の人たちが自殺するこの日本にブータン国王夫妻は多くのことを気付かせてくれました。
チャレンジするから失敗もする!
私が小学生3年生か、4年生の頃のことです。1.5ボルトの乾電池で動くモーターを乾電池2個を直列にして3ボルトで動かすとすごく速く廻りました。それならコンセントの100ボルトで動かせばどれだけ速くそのモーターは廻るのだろうか?それを知りたくて小さなモーターのコードを家庭用コンセントにつなぎました。そうするとどうなったか?「ボン!」と音がして白い煙が出て、その小さなモーターはその後、乾電池でも動かなくなりました。つまり、壊れてしまったのです。
笑い話のようなその小さな事件は61歳になった今でもはっきりと覚えています。これが経験なのです。チャレンジしたから解ったのです。失敗したから成長できたのです。
先日、桜井良子さんの講演を聴きに行きました。「65歳を超した私が思うのは40歳のころ、50歳のころの私はなんとバカだったのだろうか」と話されていました。私もその話に大きくうなずきました。60歳を過ぎれば解ってくることって多いのです。つまり、多くの経験から多くのことを学んだ結果、人間が、社会が、政治が、世界が、将来が解ってくるのです。これがブータン国王が言われた“竜は経験を食べて人格を高めていく”ことなのです。歳を重ねても経験しなければ成長はしません。失敗を恐れず、チャレンジすることが大切です。
人生は経験しただけ面白い!
失敗は経験です。その経験から多くのことを学び、人間として、経営者として人格を高め、若い人たちから尊敬される年長者になりたいものです。
今年も皆様にとって幸多い年になることを心からお祈りしております。