JSK通信

提言!労働市場の自由化を!

代表取締役 上能 喜久治

“鎖国状態”の日本

11月に香港に行ってきたときのことです。日曜日のHSBC(香港上海銀行)1階の広場には多くのフィリピン人のメイドの人たちがシートを敷いてグループをつくり、自分たちが持ち寄ってきたお弁当やおやつを食べながら楽しく談笑していました。香港の人口は700万人、メイドは25万人いるそうです。そのメイドの仕事は大きく二つあり、一つは家事、もう一つは子供たちに英語を教えることです。香港における日常会話は広東語であり、英語を話すフィリピン人のメイドが香港に住む中国人に英語を教える役割を担っています。その結果、中流階級以上の子女はごく自然に英語が話せるようになるというのです。
 これに対して日本人の英会話力はとても低いものです。小学校や中学校では最近は外国人の英語教師を見ますが香港のメイドのように身近に英語を話す人がいません。日本の外交力のなさはこの英会話力の低さに起因しているように思います。日本は労働力については鎖国状態です。「日本で働きたい!」という外国人は多いのに日本は固く門を閉ざしています。


労働市場の自由化がもたらすもの

イタリア名物のピザを焼くのはいま、イタリア人の若者ではなく、その多くがエジプト人だそうです。熱い釜でピザを焼くというのはイタリア人はもうしないのです。我が日本でも3Kと言われる“危険・きつい・汚い”仕事に若者が集まりません。建設業・製造業・飲食業等の会社が人材募集をしても一人の応募者も来ない、というのは最近は珍しい話ではありません。「応募者は来たとしてもなかなか続かない」と嘆く経営者が増えています。少子化の影響もジワリと労働市場に忍び寄っています。このような時期に労働意欲に富み、ハングリー精神を持った外国の若者を雇用するという労働市場の自由化が求められています。この労働市場の自由化は日本人の若者にもよい影響を及ぼします。「あんな危険な仕事をあんな安い給料でしている」やる気のない日本人の若者はそんな言葉をはいて一所懸命に働く外国の若者をあざ笑いながらまたニートを続けるのでしょうか?
汗を流すことのすばらしさを忘れた日本人に外国人労働者が教えてくれます。
「あなたがいま、この時代に日本に生まれたありがたさを感じなさい!」と!

 今年も貴社とあなたにとってすばらしい年になりますように祈念しております。