代表取締役 上能 喜久治
完璧を求めるな!目先に惑わされるな!
次の問いにあなたならどちらを選びますか?
第1問 A.魚をもらう B.魚の釣り方を教えてもらう
第2問 A.水をもらう B.井戸を掘ってもらう
第3問 A.お金をもらう B.お金の稼ぎ方を教えてもらう
このような問いにあなたが経営者なら答はいずれもBでしょう。なぜなら、Aならもらった魚は食べたら終わり。もらった水は飲んだら終わり。もらったお金は使ったら終わりであることを知っているからです。ところが多くの人はAを選ぶのです。その訳を尋ねると「魚の釣り方を教えてもらっても必ず魚が釣れる訳ではない」「井戸を掘るのに時間がかかる」「お金の稼ぎ方を教えてもらっても必ずお金が稼げる訳ではない」という声が返ってきます。すなわち、世の中の多くの人は100%の完璧性を求めるとともに目先の利益を求めています。あなたの会社が製造業なら製品を開発し、設備投資をしてその製品を作り、販売しなければなりません。売れるかどうかわからなくても、その製品を売らなければなりません。もし売れなければなぜ売れないのか、を早急に検討し、対策を立てなければなりません。値段が高いのか、品質が悪いのか、機能が良くないのか?これが面白いのです。これが経営の醍醐味なのです。しかし、経営者の中にもこの完璧性と目先の利益を求める風潮が増しているように思えます。 今から29年前、私はサラリーマンを辞めて6坪の事務所で会計事務所を始めました。お客様(クライアント)はゼロ、国民金融公庫(今の日本政策金融公庫)からの借金600万円からのスタートでした。開業案内を大変な労力と費用をかけて1000通送りましたが成果は全くなし。飛び込み営業でもやろう、と思って住宅地図を持ってお店・工場・事務所を廻りました。ちょうどその頃、消費税法案が国会を通過し、消費税セミナーを始めたところ、大盛況で、当社の礎が出来ました。つまり、経営とは不確実の連続であり、数多くの失敗を経験します。
失敗は経験である
魚の釣り方を教えてもらっても必ず魚が釣れる訳ではありません。もし魚が釣れなければその原因を探り、改善すればよいのです。餌はこれでよいのか?釣る場所はここでよいのか?釣る時間・時期はこれでよいのか?釣り竿や浮き・重りは?今までの経験を生かし、わからなければ人に聴き、本やネットで調べればよいのです。経営に完璧はなく、失敗はつきものです。ただし、致命的な失敗は会社を潰し、社員を不幸にし、取引先に多大な迷惑をかけます。失敗を恐れず、果敢にチャレンジして下さい。失敗をしたくなかったら何もしないことです。そんな人生が楽しいでしょうか?会社も人生も行動しただけ面白いものです。